BACnet

BACnetBACnet(Building Automation and Control networks)はビルディングオートメーションの標準通信プロトコルです(ISO16484: ISO 16484: Building automation and control systems - Part 5: Data communication protocol)。1980年代末にASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会)によって開発され ました。ネットワーク通信は、BACnetオブジェクトに基づいてモデル化されており、BACnetデバイスによってサーバーオブジェクトとして公開されま す。他のBACnetデバイスは、これらのサーバーオブジェクトにクライアントとして接続します。デバイスをネットワークに追加するには、ベンダーの構 成ツールを使用します。

BACnetインターフェースを持つLOYTECデバイスは、BACnetサーバーオブジェクト(バイナリ、アナログ、マルチステート)経由でデータを利用できる ようにし、クライアントマッピングを通して通信を行います。値の送信は、値変化(change-of-value、COV)イベントによって実行できます。BACnetの Schedule、Calendar、Trend Log、Notification Classの各オブジェクトでASTTM機能が使用できます。デバイスはBACnet MS/TP(ツイストペアケーブ ルを使用、RS-485に基づく)またはBACnet/IPまたはBACnet/IPまたはBACnet/SC でBACnetネットワークに接続します。BACnetオブジェクトは、LOYTEC コン フィギュレータでEDEインポート、オンラインネットワークスキャン、手動作成のいずれかの方法で作成します。

デフォルトの設定では、BACnetオブジェクトはデバイスでの文字コードにASCIIを使用します。ASCIIはオブジェクト名、オブジェクトの説明、有効/ 無効、状態等のプロパティで使用されます。他社ツールのほとんどはこの設定に対応しています。国際文字セットへの対応として、文字コードをISO 8895-1(西ヨーロッパのほとんどで有効)またはUCS-2(日本で使用するUnicodeとして有効)に切り替えることができます。

BACnet/IP対応のLOYTEC製品はすべてBACnetの時刻マスターとして機能でき、TimeSynchronizationとUTCTimeSynchronizationというBACnet のサービスを使用して時刻の同期イベントを送出できます。これは、デバイスの電源リセットやシステム時刻の変更時、または定期的に行われま す。IP対応のLOYTECデバイスのシステム時刻はNTP(Network Time Protocol)で同期できます。この場合、BACnetの時刻マスターの役割を果たす LOYTECデバイスを使用し、BACnetネットワーク内のすべてのデバイスをNTPで同期した時間に同期させることができます。

LOYTECのBACnetルーターや、ルーター内蔵のBACnetデバイスは、BACnet MS/TPのスレーブプロキシとして機能できます。スレーブプロキシ は、MS/TPバス上のスレーブデバイスに対して送信されるBACnetの「Who-Is」ブロードキャストリクエストに対し、スレーブデバイスに代わって 適切な「I-Am」パケットを送り返します。これは、自ら通信を開始できないという、BACnetのスレーブデバイスの弱点を補います。この機能を使用 すれば、BACnetのネットワークスキャンでMS/TPのスレーブデバイスを検出できます。これは、スレーブプロキシなくしてはできません。LOYTECの BACnetルーターやルーター内蔵のBACnetデバイス、およびL-GATEゲートウェイは、複数IPルーターにまたがるBACnet/IPネットワークを管理できる BACnetブロードキャスト管理デバイス(BBMD)も内蔵しています。ルーター機能のないBACnetモデルは、BBMDにFD(Foreign Device)として登録 できます。BACnetルーティング機能を備えたすべてのモデルは、BACnet/IP、BACnet/SC、BACnet MS/TP間のルーティングが可能です。

LOYTECデバイス上のBACnet/SCノードは、BACnet/SCハブへのBACnet通信のための安全なパスを提供します。個別のイーサネットポートで構成されている場合、WANポート上のBACnet/SCから切り離されたLANポート上でBACnet/IPを動作させることができます。HTTPSとともに追加の保護レイヤーが提供されます。BACnet/IP(LAN)とBACnet/SC(WAN)間のルーティングが可能です。

BACnet MS/TP対応のBACnetデバイスでは、MS/TPプロトコルアナライザのリモート機能も提供します。捕捉されたBACnet MS/TPパケット は、Wiresharkアナライザ(通信プロトコルを解析する無償のスニッフィングプログラム)にオンラインで送信できます。またはキャプチャファイルとし てデバイスにオフラインで保存し、後にWebインターフェースを介してダウンロードしてWiresharkで開くことができます。

BACnet標準デバイスプロファイル、サポートされるBIBB(BACnet Interoperability Building Blocks)、各オブジェクトプロパティ等のBACnetのそ の他の詳細は、それぞれのPICS(プロトコル実装適合性仕様宣言)文書内に規定されます。また、LOYTECのほとんどのデバイスは、B-BC(BACnet Building Controller)プロファイルに対応し、BTL認証を受けています(関連製品の説明もご参照ください)。